昭和婦人

終戦の直前に北陸の農家に末娘として生まれた、ごく平凡でな女性の人生のお話です。

2021-07-01から1ヶ月間の記事一覧

4、北端の新天地と新婚生活

不本意ながら綺麗な着物を着て見合いの席についた恵美子。 その時の見合い相手が正之、のちに夫となる相手でした。もともと結婚に興味がなかった恵美子は、互いの紹介をした仲人が退席した後ろくに正之と話もぜずに,食べるものだけ食べてさっさと帰宅しまし…

東京へ。

当時は皆、高校卒業後は長男のみが農家の家業を継ぎ家に残りました。 長男以外の男の子供は大体は他所で仕事を見つけるか、大学か専門学校に進学します。女の子たちも地元で仕事を見つけるか、家に残って家事と農作業の手伝いに専念して結婚までの時間を過ご…

3、父の死、居心地の悪い実家

恵美子がまだ十代後半の時、父親が病気で他界しました。 まだ若かった父親でしたが、長年の無理がたたったのか倒れて数週間であったいうまに逝ってしまったのです。 父親の葬儀を終え、残された家族は長男の手に委ねられました。まだ結婚して間もなかった長…